「牛妻」という地名が静岡市にお住まいの方にどれほど知られているか分かりませんが、私にとっては思い出深い土地です。
今から45年ほど前に、牛妻にある団地「牛妻笹子団地」で私は生まれました。
当時は単に「牛妻団地」と呼んでいたように思いますが、正式には「牛妻笹子団地」という名称です。
両親に聞いたところによると、1972年ごろに団地内に住宅を購入した際にはすでに、現在の4割程度は住宅が建っていたそうですので、おそらく1960年代のはじめごろに静岡市によって開発された団地ではないかと思います。周辺の環境から察すると元々田んぼであったようです。
「牛妻笹子団地」は牛妻地区の中では南側に位置し、元々のメインストリートは現在の賎機中小学校のあたりであったようです。
現在でも商店や自動車修理販売店が点在しています。
昭和59年まで私は牛妻団地に住んでおりましたが、その後父の仕事の都合で市内に転居しています。
当時、牛妻の地区には食堂が数軒のみあったように思います。
そのひとつが「白鳥食堂」さんです。
白鳥食堂
アクセス・外観
店前の通りは何度も通るのですが、お店に入ったのは40年弱振りです。夏の暑い時期に伺ったように記憶しています。
お店は静岡市の中心街から北に井川方面へ続く静岡県道27号井川湖御幸線(通称:安倍街道)沿いにあり、安倍川を西に対岸へ渡る曙橋に手前に位置しています。
基本的に一本道なので迷いませんが、スピードが出やすい通りなので、見過ごさないよう注意しましょう。
駐車場は店舗の南側に3台ほど駐車できます。
ちなみに、牛妻では望月姓と、白鳥姓がとても多く、クラスには必ずいらっしゃいました。
名物おでん
店内はテーブル席が8席、座敷も机が2つに8席ほどです。
入って右奥におでんの鍋が常設されています。
恐らく、2代目のお母さんがおでんの番をされて、指南してくれます。
初代が開店してから80年以上経っているそうです。恐らく昭和の初期頃開店で、現在は3代目の店主が切り盛りされているようです。
創業時は、軽便鉄道路線の安倍鉄道が走っていた時代かもしれませんね。牛妻は当時終着駅でした。
好きなおでんを取り分けて、左下の味噌のツボにつけてから、お好みでだし粉や和辛子を付けていただきます。
もつ、じゃがいも、こんにゃくをいただきましたが、濃いめの味付けにだし粉が効いて非常に美味しかったです。どれも1本90円と値段も手ごろ。
もっといただきたかったのですが、タンメンとネギラーメン(妻と)を頼んでいたので、ぐっと我慢してラーメンを待ちます。
麺類(タンメン・ネギラーメン)
妻はタンメン、私はネギラーメンです。(ネギラーメンは写真撮り忘れました…。)
最近のギラギラしたパンチのあるラーメンでありませんが、穏やかな醤油系のスープに、細めのストレート麺、ネギのシャキシャキ感とこちらも美味しくいただきました。
懐かしい、そんなほっとするラーメンです。
麺類の他にうどん、そば、定食系もありますが、総じて安価です。
料金の端数が、まじめに消費税を計算していたらこうなった感がして、良いです。
店内
店内は昭和な風が流れています。
口坂本温泉
白鳥食堂さんの後には、さらに北上して口坂本温泉を目指します。
こちらも、なかなか昭和を感じる日帰り温泉です。
オクシズにある市営温泉
「オクシズ」という言葉は、磐田から転居してから知った言葉なのですが、奥静岡のことを近年は行政も「オクシズ」と呼んで活性化に取り組んでいるようです。
オクシズには市営の温泉がいくつかありますが、もっとも地味なのが口坂本温泉です。
久しぶりに(数年ぶり)に伺ったのですが、料金が300円(大人)と、大丈夫?という料金設定です。
看板にはうっすら430円と記載がありましたので、このご時世に値下げされているようです。
確かにアクセスがあまりよくなく、施設も古めなので、という価格設定かもしれませんが、街の銭湯より安いです。
お風呂
内風呂と露天風呂が一つずつあります。
洗い場にはシャンプーやボディソープもしっかり備え付けがあります。
泉質は、トロミのあるアルカリ性で、温泉感の強いお湯で非常に満足しました。
お湯の温度はぬるめなので長湯向きです。
露天風呂には常連のお父さんたちが、世間話に興じておられました。
休憩室
無料の休憩室もあります。
多くの席は他の方が確保されていましたので、一見さんは座れないかもしれません。
アクセス
新東名の静岡ICから45分ほどです。
途中までは道が良いのですが、最後の5kmほどから離合ができない道が続きます。
できれば、小さめの車の方がベターです。
昭和を愛でる
大規模に開発されたり、お店ががやがやしていたり、なんだかおしゃれだったりする観光地もそれはそれで楽しい面もありますが、年齢を重ねたせいか、ちょっと自分が無理をして楽しんでいる気もします。
普通に暮らして、普通に食事して、普通に温泉入るという地味な遊び方がしっくりくるようです。
昭和的であること自体に価値がある・ないは感じる方それぞれだと思いますが、お店も、お風呂も大きく変えずに、長年良心的に営業している、そんな場所が僕はやっぱり「いとおしい」のです。
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